鎌倉暮らし

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牛乳じゃなくて、美味しいヤギ乳&羊乳が飲んでみたい!という希望とイロイロな疑問-3

大人が母乳を摂取するのは異常行為 ...そりゃそうだ、というお話。

※続き物です。よろしければコチラ(↓)もどうぞ。

kamakura-kurashi.hatenablog.com

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(前回からの続きです。)

そもそも『乳』って何だろう?                     

せっかくの機会なので、そもそも論で考えてみます。
まず、私たちも属している哺乳類の定義をご存知ですか?

基本的に有性生殖を行い、現存する多くの種が胎生で、乳で子を育てるのが特徴

だそうです。というのは哺乳類特有のものであり、かつ子育てのために母親から
分泌される液体なんですね。
一般的に、母乳と聞いたら 私たちはヒトの母乳を想像しますが、地球上に生息
する4000種以上の哺乳動物(のメス)は、子供を産んだら母乳が出るのです。
哺乳動物の子供は、生後ある程度の時期まで 乳のみで成長が可能です。
赤ちゃんにとって、乳は完全な栄養を備えた食品と言えます。

ですが、かつて150種もの哺乳動物の乳組成を検討したロバート・ジェネス氏の
報告によれば、

『1口に乳といっても、

  蛋白質 1~23.7%

  脂肪  0~53.5%

  乳糖  0~10.2%

 と、子畜の成長速度、生育場所、畜種によって大きく異なっている』

そうです。まだまだ、わからないことだらけなんでしょうね。

通常、哺乳類の子供はある程度成長すると、勝手に離乳していきます。
自ら母乳を飲まなくなり、親と同じ主食を食べるようになります。
それが自然なことです。
では、何をトリガーにして 離乳が進むのか?
この辺の詳しい内容については諸説あるらしく...つまりは よくわかって
いない、ということのようです。
人間(+ペットの犬・猫 等)の場合には、当人(子供)以外の人(親とか医者とか
厚生省とか...)が 離乳時期 や 離乳食の内容を決めていますが、哺乳動物本来の姿
としては、ちょっと不自然ですね。

離乳時期を過ぎた子供は、母乳を飲みません。その必要がないからです。
さらに人間の場合、ほとんどの文化で
 大人が母乳を摂取するのは異常行為 
とされています。
『好きな食べ物は母乳』という人が身近にいたら、ちょっと距離を置きたく
なりますよね...
でも、私たちの大半は 母乳を飲んでますよね?
そうです。牛乳(牛の母乳)。その他に思い浮かぶのは、ヤギ・羊・水牛・
馬...辺りかな?他にありましたっけ?
(ちなみに、日本では馴染みの薄い水牛の乳ですが、脂肪分が8%程度と高く、
 ギーの主要原料となっているそうです。)
よく見ると、全部 草食動物だわ。本来の主食は草だけど、やっぱり赤ちゃんの
ときは母乳で育つんですね。哺乳動物だから。
で、その赤ちゃんのための母乳を私たちが頂いてる。

上にあげた動物の内、牛・ヤギ・羊 はいずれも反芻動物であり、ヒトと食物競合
しないという点が、家畜にする上でのメリットであったと考えられています。
具体的にいえば、ヒトが栄養として直接利用することのできない粗剛な草を食し、
ヒトにとって良質な栄養分である 乳、肉(脂肪)等を提供してくれる。

食ベ物が充分になかった時代に、これらの乳が重要な栄養源であったことは容易に
想像できます。
ですが、ありあまる食品に囲まれた現代人が、相変わらず動物の母乳を摂取する
必要性はどこにあるんでしょう...?

 ・文化的に重要だから?
 ・伝統を守るため?
 ・食の好みとして?

う~ん。私に思いつくのは これくらい。
理由はわからないけど、少なくとも摂取の必要性は無さそうな感じですね。

だからと言って、動物の乳は絶対に口にすべきではない!とは思いません。
そんなこと言ったら、現代の『食』は変なことだらけになっちゃう。
「文化的に重要」であり、「守るべき伝統」であるから、認められるべき って
日本政府も主張してますしね。(捕鯨(鯨肉食)のことです)

なにより、私自身も 食の好みとしてチーズ大好きですから。
食べられなくなったら、ちょっと悲しい。
ただ、自分が食べるものだから、この位は知っておいてもいいのかな、と
思うのです。
その上で、何を選択するか、どんな行動をとるか、は 個人の自由で良いと
思っています。

乳糖不耐症ってどういうこと?                    

医学的素人である私流の理解を、ごくごくテキトー 簡単に書きます。
(詳しく知りたい方は、専門的な本なりサイトなりをお読みください。)

上でも書きましたが、本来『動物の子供は勝手に離乳する』ものです。
この仕組みについては諸説ありますが、大きくは

・母乳の成分が変わっていく(母乳側に離乳を促す仕組みがある)
・成長に伴い、本来の主食を受け入れる準備が整う
               (子供側に離乳の仕組みがある)

の2つの可能性が言われています。

乳糖哺乳類の乳汁に含まれています。(植物ではレンギョウの花粉に含まれる)
故に、母乳を主食とする間は 乳糖分解酵素が活性化していることが必須です。
成長と共に離乳して、親と同じ主食を食べるようになります。
必要がなくなるので、離乳後には 乳糖分解酵素が不活性化します。
つまり、離乳後に乳糖が分解できないのは自然なこと、ではありませんか?

万人が牛乳を飲むという文化的(?)前提があるから、乳糖不耐症になるのであって、
母乳を主食としないお年頃ならば、乳糖を分解できないのが正常ってことでは?
ただし、この能力は 後天的に(再)活性化する(いっぱい乳糖を飲んでたら、
そのうち分解できるようになる...人もいる)こともあるそうなので、色々な
ケースがあるのでしょう。(それが自然なことか否かはともかくとして)
...と言いつつ、私自身は牛乳を飲んでもお腹がゴロゴロした経験がないので、
"不自然な"大人なのかもしれません。

 

長くなりましたので、(またしても)次回に続きます...