鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

牛乳じゃなくて、美味しいヤギ乳&羊乳が飲んでみたい!という希望とイロイロな疑問-1

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立春なのに寒い、本日の鎌倉です。
先日ブログに書いたこの本の中で、何故か印象に残った1文があります。

ヤギとヒツジの乳製品への耐性は、
           牛の乳製品に対してよりも だいたい高い

      (P.156 『落とし穴14/乳製品は骨の健康に役立たない』より)

 え、そうなの? じゃ、なんで "牛"だらけなの?と思ったんですよね。
気になっていたので、先日、何気なくパートナーに訊いてみました。

 『ヤギ乳は アッサリ味だけど、羊乳ってどんな味なのかな?』

ところが、予期せぬ返事が。

 『ヤギ乳なんて飲んだことないよ。って言うか、どこで飲めるの?!』

え~...子供の頃、おばあちゃんが飼ってたんだけど...珍しいことなの?
と、私がビックリ。「昔は みんなヤギを飼っていて...」と聞いていたし、
実家の周囲にも何頭かいましたしね。
当時(昭和50年代です)、祖母は埼玉の片田舎にある駅前商店街で、ごくごく
小さな飲食店を営んでおり、そこの裏庭(というか、軒先)で ヤギを飼って
いたんです。が、今にして思えば、随分おおらかな時代でしたね。
現在なら、飲食店の軒下でヤギを飼ったりしていたら、保健所やらご近所やらが
うるさくて大変でしょうから。...それか、『ヤギ食堂』なんて呼ばれて
有名になっちゃうのかな?それなら売上UPだね。
とにかく、そんな理由で 何度かヤギ乳(生乳)を飲んだことがありますが、
アッサリしてるなぁ...とは感じても、臭いと思ったことはありません。
一緒に飲んでた従兄たちも、べつに嫌がっては いなかったと思う。
それ以降、ヤギ乳を飲む機会はありませんでしたが、大人になってからは
何故か ヤギ乳や羊乳で作られたチーズ を美味しいと感じる事が多くなった
ように思います。

ただ、この会話をきっかけに、がぜんヤギ乳&羊乳に興味が湧きまして...
ちょっと調べてみました。
ダラダラと長くなりそうなので、何回かに分けて書いていきます。
『牛乳が 実は体にいいのか?悪いのか?論争』に、ヤギや羊を参加させたい、
ということではありませんよ(笑)

生物学的分類                             

 ヤギは、山羊(野羊)とも書きますね。ウシ科 ヤギ亜科 ヤギ属です。
 羊は、ウシ科 ヤギ亜科 ヒツジ属
 (ヤギ亜科 についてはイロイロ論争があるようなので、そのうち ヤギ属になるかも)
 どちらも草食ですが、木の芽 や 木の皮も食べるヤギに対して、羊は
 草だけを食べる...グルメ?
 もっとも、現在では 穀物食のヤギも羊もいるようですが。

家畜としての歴史                          

 ヤギと羊(と犬)は、かなり古い時代から家畜化されていたようですね。
 ヤギは犬についで古いとされており、最古の遺骨は新石器時代(紀元前
 7000年頃)の西アジアの遺跡から出土しているそうです。
 羊はヤギよりも若干(...1000年位?)遅く、古代メソポタミア(紀元前 
 7000~6000年頃)の遺跡で見つかった遺骨が最古のものだとか。
 ヤギの特性は、乾燥に強く、険しい地形も苦にせず、粗食に耐える
 その上、肉、乳、皮を提供してくれるのだから、さぞかし貴重な動物
 だったんでしょうね。
 (日本では、小型で扱いやすく粗食に耐えることから「貧農の乳牛」とも
 呼ばれ、明治以降は数多くのヤギが家庭で飼われていたといいます。)
 そんなありがたい家畜がいたのに、さらに羊を家畜化した最大の理由、
 それが 脂肪だと言われています。
 乾燥地帯に暮らす遊牧民にとって、脂肪がどれほど重要であったかは
 
私にも想像できます。
 たしかに、品種改良された現在のヤギを見ても、脂肪が豊か...とは
 思えませんからね。
 中央アジアの一部では、現代でもヒツジの脂肪が最良の栄養源とされ、
 モンゴル出身の知人は『一番のご馳走は 羊の胸肉(ラムラック)』だと
 言っていました。
 お客様をもてなすときには、まず (胸の)脂肪がたっぷりついたお肉
 出すんだそうです。 美味しそう!!

ヤギ乳って?                            

 家畜化の歴史から考えて、初めて搾乳が行われた動物はヤギ と考えられて
 います。同時に、チーズやバターなどの乳製品も、ヤギの乳から発明された
 と言われます。
 一般的に、ヤギ乳は臭いというイメージ(ほとんどの人は 飲んだことも
 ないのにね)ですが、芳醇な風味がクセになる、という人もいるようです。
 これは、飲んだ時期などにもよるんでしょうね。
 ヤギ乳は、人の母乳に一番近いとされ、年配の方の中には

  『母親の母乳の出が悪くて、ヤギ乳で育てられた』

 という方もいらっしゃいます。...現代日本で聞く話ですよ?
 その位、生活に溶け込んでいた時期があったんですね。
 最近では、アメリカやヨーロッパで、離乳後のお子さんにヤギ乳を飲ませる
 お母さんもいるようです。
 私の記憶の中にあるヤギ乳はアッサリ味ですが、実際には食べるものや
 季節によって、大きく風味が変わるそうです。(当然ですね)
 ヤギ乳は 牛乳に比べて栄養価が高く、消化吸収率が良い(おなかが
 ゴロゴロしない)とされ、それには 脂肪球が小さいなどの科学的な根拠も
 あるようです。
 牛乳アレルギーの人でも飲める、アトピーにも有効、などとも言われますが、
 これには異論もあるようですし、実際にヤギ乳にアレルギーがある方も
 います。
 もしも『牛乳がダメだから ヤギ乳を試したい』という場合には、きちんと
 調べて違いを理解すること、医師に確認すること、そして少量から試すこと
 が大切ではないかと思います。

 ところで、私自身 及び 私の周囲には、牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする人
 乳製品アレルギーの人
がいなかったため、今回よくよく調べるまで きちんと
 理解できていなかったのですが...

   牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする(乳糖不耐症) 
   ●牛乳(乳製品)アレルギー

 の2つは、全く別の話なんですね。
 もしかすると、混同されている方がいるかもしれないので、念のため。
 (...それとも常識なんでしょうか?)

長くなってきたので、次回に続きます...