鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

『ダイエットの常識』は どのくらい真実なのか?

■ダイエットの基本はカロリー制限+運動
■カロリー理論は熱力学の第一法則に則っているので科学的に正しい
■食品を選ぶポイントは"低脂肪"
■脂肪をたくさん摂ると太る(体脂肪が増える)
■未精製の穀物は栄養価が高い
■骨を丈夫にするなら乳製品(でカルシウム)を摂るべき
■ダイエット中なら人工甘味料を選ぼう
■間食はダイエットを台無しにする
■自分の摂食障害は精神的問題(悩みやストレス)が原因だ
■ダイエットに空腹はつきものだ

耳慣れたダイエットに関する通説ですよね。
この いずれかを少なからず信じている方には、一度この本を
読んでみることをお薦めします。

やせたければ脂肪をたくさんとりなさい



この本が残念なのは、ちょっと誤解を招きやすいタイトルであること。
実際、読む前は私もかなり誤解していたのですが...原題は、

 "Escape the Diet Trap"

読後の印象としては、「ダイエットに関するウソから逃げ出そう」という
感じでしょうか。
みんながなんとなく信じているダイエットに関する話は、そもそも
真実なのか?ということを、多くの論文や研究結果から検証するという
スタイルになっています。

著者は イギリス人医師。
かつては、ご本人もこの本に書かれているダイエットの通説を全て
信じて、かつ患者さんに指導もしていたと書かれています。
でも、20年以上の経験の中で、

 ダイエットに成功しないのは たいていが本人のせい とされるけど、

 決意も自制心もしっかりしていてやるべきことをやっても
              体重の問題を解決できない人 がいて、

 従来のやり方で、ほぼ全ての人がダイエットに失敗 しているならば、

 従来のやり方そのものがどこか悪いのでは?

...と考え、じっくりと調査した結果が まとめられています。

『(医師のくせに)何故 信じてしまっていたんだ!』という悔しさが
にじみ出ているような気がする...部分もあります(笑)
(翻訳文ですから、実際のところはよくわかりませんが。)

全20章で構成されており、読む側に科学的な知識が必要な部分もあります。
一方、各章の最後に『結論』という形で その章の重要ポイントが数行で
まとめられていること、また 第16~20章については『実践編』ともいうべき
形で 食べ物や運動に関することが具体的に書かれていることから、理解
しやすさにも充分配慮されていると感じました。

もっと突っ込んで知りたい人には、巻末に豊富な文献リストが記載されて
いるほか、『情報源リスト』として、医者やサイエンスライターのブログが
多数紹介されています。

自分が信じて(かつ実行している)食事や運動を否定されることは
もちろん面白くないでしょうし、出来れば知りたくないであろうことも
書かれている(可能性が)あります。

でも、自分に都合の良い情報しか受け入れない、という姿勢では、世界が
広がっていきません。知った上で、反論なり否定なりすればいいだけです。

 今度こそ体脂肪を落としたい!

(ダイエットに)挫折して自己嫌悪に陥るのはもうイヤだ!

と思うなら、『2016年に流行るダイエット』に手を出す前に この1冊を
読んでみることをお薦めします。