鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

病は気から、アレルギーは心から。

アレルギーという言葉がすっかり市民権を得てしまい、むしろ
何のアレルギーもないのはおかしい、と言われるくらいの国民病に
なりつつありますね。
特に、子供のアレルギーの多さにビックリします。

10年程前でしょうか。
「子供の友達が遊びに来てもおやつは出さない」と言った妹を
「ケチくさいね」と からかった 私。
「誰がどんなアレルギーを持ってるか わからないから、怖くて出せない」
という理由を聞いて、おかしな時代になったな、と感じたことを思い出します。

なんて偉そうに言ってますが、私もアレルギー過多な子供でした。
アトピーはなかったものの、よく蕁麻疹が出てました。
膨疹(蚊に刺された時のように皮膚がぷっくりと盛り上がって痒みがある)の
ひどいタイプでして、梱包材のプチプチのように膨れたものが全身に出る。
クロコダイル模様になるので、自分で見ても気持ち悪い。
顔に出ると、顔全体がパンパンに膨れて真っ赤になっちゃう。
当然、学校は お休み。
さすがにこれじゃマズイと思った両親に、大学病院に連れて行かれたのが
11歳の時。

今でこそ採血だけで抗原が特定できるようになりつつありますが、当時の
検査は もっと原始的な 皮内テスト(少量の抗原液を皮内に注射して反応を見る)
もちろん、アタリの場合は反応するので、腫れて痒くなります。
私の場合、この時点ではアレルゲンが 食べ物なのか 動物なのか
植物なのか それ以外のものなのか...全く見当が付いていなかったので、
とりあえず手当たり次第に試すことに。

普通は、腕に5~6種類の抗原液を打って様子を見るらしいのですが。
私の場合、それではスペースが足りずに、背中と両腕に20種以上。
20~30分経過後には、全身に猛烈な痒みが!
両腕はパンパンに腫れあがり、背中も全体が真っ赤に腫れて
亀の甲羅状態(笑)
あまりの腫れっぷりに、ノギスを手にした教授やら インターンやらが
大勢呼ばれて、検査室が大混雑になったことを覚えています。
痒みに悶絶したにもかかわらず、アレルゲンは特定されず。
(全部がつながって腫れたので、特定できなかった。痒み損。)
結局、スギ花粉、ハウスダスト、ダニ、ブタクサ...などの超定番から
治療しましょう、とお茶を濁されて(?) 以降5年ほど 減感作療法を受けました。

減感作療法の効果のほどは残念ながらわかりませんが...。
現在は?といえば、アレルギーは全くありません
血液検査しても綺麗なものです。そうなんです。
きれいさっぱり治っちゃった。
その話は 後で書くとして。

そんな子供時代。
食品の定番『卵』と、何故か『サバ』にもアレルギーが出てました。
でも、毎回じゃない。...何故?
皮内テストでは、卵にも反応していた(...らしいけど、詳細は不明)
ある時から、固ゆで卵以外には必ず反応するようになりました。

きっかけは、ある小説。
小学2年生のとき、鳥打ち(狩猟)に行く親子のお話を読んだのですが、
その中に、孵化直前の卵が割れて雛が死んでいくシーンがあったのです。
で、想像力豊かだった私は、ものすごく具体的にそれを想像しちゃった。
以来、精神的に卵を受け付けなくなったんです。

それだけじゃない。
生玉子や半熟玉子を食べたところを想像するだけで、蕁麻疹が出るように
なっちゃった。
心が 玉子を拒否したんですね。その方が都合が良かったんです。
『アレルギーなら食べちゃダメだよ』って言ってもらえるから。
そうです。アレルギーを免罪符に使ったんです。
もちろん、無意識で。
本当のアレルギーなら、調理状態関わらず、毎回、必ず、反応するはず。
私の場合、固ゆで卵は大丈夫。何故なら、卵サンドが大好物だったから(笑)
もちろん、ケーキやらカスタードクリームやら、卵入りのお菓子もOK。
いちいち卵が入ってることを意識しないし、食べたかったし。
かなり都合のいい食物アレルギーでしたね。

あと--『サバ』?
これは、父がサバにあたったのを目撃したせいです。
普段元気な父が、(食中毒で)数日間寝込んだのが、ものすごくショック
だったんですね。
で、サバの印象が急下落。
『これを食べたらヒドイ目にあう』と思って、アレルギーになっちゃった。
(もともとサバなんて好きじゃなかったし。)

なにが言いたいかといえば。

全てのアレルギーが心因性だとは言いませんが、そういうことも
あるだろうと思うのです。
まして、子供であればなおさら。

アドラー心理学にも書かれていますね。
病気は作りだすことができるんです。--無意識で。

心が拒否するあまり、体でも拒否してしまう。
アレルギーなんて、一番都合のいい免罪符ですよね。
『アレルギーなら仕方がないね』って言ってもらえちゃうし。
その方が楽ですもんね。
無意識(無自覚)でやってる分、タチが悪いとも言えますが。


病は気から と言うけれど、
自力で治せるアレルギーもあると思いますよ。心因性ならば。
そして、心因性のアレルギーって、意外と多い気がするんですよね。

そんな私の場合、すっかりずぶとい神経の大人に成長するとともに
卵アレルギー も サバアレルギー も 見事に消滅
今となっては『ああ、そんな時期もあったっけ。』という感じ。

...それ以外のアレルギーですか?
何故か、子宮筋腫と共に姿を消しました
ちょうど今から2年前、長年の悩み(貧血+過多月経)の元だった
子宮筋腫を摘出したのですが。(子宮温存で筋腫のみ摘出)
術後、何故か 全てのアレルギーが消えてしまったんですよね。

笑い話以外で 子宮筋腫がアレルギーの原因だった! なんて言ったら
『アタマ大丈夫?』って言われそうですが。でも 本当。

定番のスギ花粉アレルギーも その春からきれいさっぱり治りました。
血液検査しても 何も出ない。

...そのアレルギー、"本当に" アレルギーですか?

人体って不思議。