鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

明日が必ず来る、というのは奇跡かもしれない

昨日、ある人が私に言いました。

 明日があることって、当たり前じゃないんですね

その方は、半月のうちに立て続けに ご両親が倒れてしまい、
現在の看病と、これから長く続くであろうリハビリのことで
疲れている、というよりも 精神が昂っているように見えました。
一方は 脳に関わることだったので、元に戻ることは難しい、と
告知されたそうです。

『あなたは元気でいてくださいね』

話を聞いて、そんな風に言葉をかけることしかできませんでしたが、
その人の言葉の意味は よくわかりました。
私自身、事故で入院した時に 同じことを感じていたからです。

事故直後、顔を何カ所も骨折したことは すぐにわかりました。
比較的冷静(...茫然としてただけかな?)だったと思います。
が、まもなく耳の奥が生温かくなって、耳から血が流れてきた時の
恐怖感は、今でも鮮明に覚えています。

 頭部を強打して耳から血が出るって、良くない状態だよね
 私、意識があるのは これが最後かな

そんな風に感じました。そして、

 誰かに、何かを伝えておかなきゃ...

そんなことを思いつつ、思考がそこから先に進まない。
さらには、口が動かない。声も出せない。
(顎関節と下顎を何カ所も骨折していたのです)

医療関係者曰く、奇跡的に 脳には何の障害もありませんでしたが、
本当に脳に影響がなかったか否かは、ある意味では この先もずっと
わからないんですよね。
入院中は、ちょっと不眠症気味になりました。

 眠ったら、明日、本当に目が覚めるのかな?

そんな考えが、ずっと頭にあったからです。

自分に明日があることを疑うなんて、健康であれば ほぼしないと
思います。以前の私がそうでしたし、現在だって、明日以降の仕事の
予定を立てるのは 普通のことです。

ただ、時おり考えます。

 明日はないかもしれないと感じた あの時、
             誰に、何を 伝えたかったんだろう?

 それは、明日まで待つ必要が あるんだろうか?

 明日ではなく、今日 行動したら いいんじゃないの?

日常生活の中では、なんだか気恥ずかしくて行動できないことも多いけど、
その時に後悔しないように、毎日を大切にしていきたいですね。

最後に、病院で凹んでいた私を元気づけてくれた本から、なぞなぞを1つ。

 さあ なんだかあててごらん
 足がながく 靴もはいてないのに
 前のほうからかけてきて
 かならずちゃんと きみのとこにやってくるもの

 なにをしてても どこにいても
 いつもそばにいる でもじっとしてはいない
 そこにいたかとおもえばもう
 いつのまにか いなくなっているもの

 それはちかづいてくる でも南からでも北からでも
 東からでも 西からでもない
 この世のどんな力でも
 それはとめられない はばめない

 失望しているもの それにおびえ
 希望にみちてるもの それをまちのぞむ
 それはよくしっているけど まだまったくしらないもの
 そのことをしゃべるとき それは空想のさんぶつ

 それはけっして さきどりできない
 そうとも きみが百歳になったって
 だけど 生きてるかぎり
 それは毎日 きみのとこにやってくる

            「エンデのいたずらっ子の本」より『最初のなぞなぞ』

なぞなぞの答え、わかりましたか?