鎌倉暮らし

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ひじき に罪はないけれど

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昨年の12月25日に、こんなニュースが流れたのを覚えておいでですか?

文部科学省は25日、日ごろ口にする食品の栄養成分をまとめた

日本食品標準成分表の改訂版を公表した。製造に使う釜の多くが

鉄製からステンレス製に代わったことで、ヒジキに含まれる鉄分が

大幅に減った。...(中略)...100gあたり55mgあった鉄分が 6.2mgと、

9分の1になった。ステンレス製の釜が普及し、以前より鉄分が

少ないものが流通していることが理由。

切り干し大根もステンレス製包丁の普及を受け、鉄分が9.7mgから

3.1mgに減った。...(後略)

「なんだその理由?!」ということで、twitterなどでもかなり話題になりましたね。

私も、新聞記事を一読しただけでは 意味が理解できませんでした。

ひじきとステンレス釜の普及に、一体何の関連性があるの?ってことですよね。

最近は ひじきを口にしていないし、今後も進んで食べることはないと思うので、

個人的にはどうでもいい話題だったんですが...

意地悪な興味半分で、ちょっと調べてみました。

ひじきの製造方法には、大きく2種類あるんだそうです。

伊勢製法

 収穫→天日干し→水戻し&塩抜き→蒸す→乾燥→完成

房州製法
 収穫→茹でる or 蒸す→乾燥→完成

...え?蒸すの?

さらに、「日本ひじき協議会」さんのHPによれば、

(前略)...伊勢製法と房州製法の割合ですが、現在流通している

ひじきの 60%が韓国産、30%が中国産で そのほぼ100%は伊勢製法

(又は伊勢製法に準じた製法)で、残り10%の内 伊勢地方で

伊勢製法として加工されるのが 70%くらいだと推測されますので、

ザッと97%が伊勢製法と言う推測ができると思います。...(後略)

国内に流通するひじきの約97%伊勢製法蒸す
残りの約3%房州製法(茹でる or 蒸す

製法としては、圧倒的に「蒸す」が主流じゃないですか!

蒸し釜が 鉄製 か ステンレス製 か、って何か意味があるの?

鉄分って、蒸気に含まれるの?(イヤ。含まれない)

それとも、5年前まで計測対象にしていたひじきが、たまたま残り3%の

房州製法で、しかも たまたま鉄釜で茹でられたものだったのかな?

切干大根にしたって、もう少しまともな言い訳 理由が考えられなかったのか...。

ステンレス包丁って、少なくとも20年前には一般家庭にも普及してた記憶が

あるんですが。っていうか、そもそも大量生産の工場が、材料を包丁で

切ってるとも思えませんけど?

 

もともと、日本食品標準成分表なんて、そんなに眺めることはなかったし、

たまに調べたい物があっても、他国の同等リストと見比べたりすると

「は?」ってなる位、成分に差異があるので、自分の中での信頼性はかなり

低かったのですが。(...まさか このレベルとは...)

せめて、各食材について

 ・どんな方法で計っているのか

 ・いつ(どの年に)計ったものなのか

 ・どの季節(旬のもの or ハウス栽培など)のものなのか

 ・実際に自分たち(文部科学省)で計ったのか

 ・業者の数値を流用しているのか

 ・サンプル1個の値なのか、100個の平均値なのか ...

その程度のことは、堂々と公表してもらいたいと思いますね。

仮にも"科学"を名乗る省なんですから。

ちなみに、2016年1月8日現在、文部科学省のHPに公開されている

第2章 五訂増補日本食品標準成分表(本表)は、古いものでした。

 

なんだか、あまりにもいろいろ勘繰りたくなる話だったので、遅まきながら

書いてみました。

流れてくる情報を 鵜呑みにしたらダメ!という

情報リテラシーの教育材料としては 最適 だったのかも

しれませんね。

...そういえば、これも文部科学省の分野でしたっけ(笑)