鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

愛の反対は憎しみではなく無関心。計画の反対は無計画ではなく『反応』だ。

ものすごーく今さら感がありますが、この本を読みました。

奥付を見ると、「2011年5月28日 第1刷発行」となっているので、5年以上前の

ものですね。当時、ベストセラーになったのも覚えています。

でも、その当時は読みたいと思わなかったんですよね。

読書は大好きだけど、気が乗らない本は 絶対に手に取りたくない性格でして...

つまり、今まではこの本に縁がなかったということ。

ところが先日、歯科矯正に行った病院近くのBOOKOFFで、セール(200円)

になっているのを見つけ、手に取りました。

いつものとおり、パラパラーッと全体に目を通して...好感を持ちました。

何故ならば。

最近の本って、読者をバカにしたようなモノが多くないですか?

やたら字が大きかったり、行間の広さが絵本レベルだったり、それこそ

絵本の如くいたる所に絵や図があったり、「ここが重要」って部分が

太字やカラーになっていたり...

 余計なお世話!

と言いたくなります。特にベストセラーや話題の本に 多いような?

その手の本は、誰にどんなに勧められても、お金を払う価値を見出せません。

が、この本にはそれがなかったんです。

全頁、普通サイズの文字+行間。挿絵無し。

いや、当然と言えば当然なんですが。で、購入しました。

 

内容は、ガネーシャというゾウの姿をした神様が、成功を夢見るサラリーマン

のもとに現れて、大阪弁であーだこーだと教え(?)を垂れる、物語調の

自己啓発本です。

各章の最後には ガネーシャのありがたい?教えが 課題として書かれています。

ガネーシャの課題>

  1.靴をみがく

  2.コンビニでお釣りを募金する

  3.食事を腹八分におさえる

  4.人が欲しがっているものを先取りする

  5.会った人を笑わせる

  6.トイレ掃除をする

  7.まっすぐ帰宅する

  8.その日頑張れた自分をホメる

  9.一日何かをやめてみる

 10.決めたことを続けるための環境を作る

 11.毎朝、全身鏡を見て身なりを整える

 12.自分が一番得意なことを人に聞く

 13.自分の苦手なことを人に聞く

 14.夢を楽しく想像する

 15.運が良いと口に出して言う

 16.ただでもらう

 17.明日の準備をする

 18.身近にいる一番大事な人を喜ばせる

 19.誰か一人のいいところを見つけてホメる

 20.人の長所を盗む

 21.求人情報誌を見る

 22.お参りに行く

 23.人気店に入り、人気の理由を観察する

 24.プレゼントをして驚かせる

 25.最後の課題を必ず実行に移すこと

 最後の課題1.やらずに後悔していることを今日から始める

 最後の課題2.サービスとして夢を語る

 最後の課題3.人の成功をサポートする

 最後の課題4.応募する

 最後の課題5.毎日、感謝する

 

物語りに絡めた言葉で書かれているので、この部分だけ抜き出すと

わかりにくい部分もありますが...なんとなく想像がつくのでは?

そして、聞き覚えがあるのでは?

本の中で ガネーシャも言っていますが、従来の自己啓発本と比べて

何ら目新しいことは書かれていません。

既に知られていることばかりです。

読んだら こう思うかもしれません。

「そんなこと知ってるよ。この本から学ぶことはないな」と。

でも、知っていること=できること、ではありません

知ったつもりになったけど、いつもは忘れてること...ありませんか?

例えば、今年の抱負 や 今年の目標。実行できてますか?

いつのまにか、忙しい毎日を言い訳にして、放置していませんか?

そもそも、自分の大切な目標を あきらめたり 放置しなきゃいけないほど

忙しい毎日って...何なんでしょうね?

 

ガネーシャはこうも言っています。

「世の中のほとんどの人間はなぁ、『反応』して生きてんねや」

「自分から世の中に働きかけるんやのうて、自分の周囲に『反応』しとるだけなんや。親から言われて勉強して、みんながやるから受験して、みんなが就職するから就職して、上司から『これやっとけ』言われるからそれをやって、とにかく反応して、反応し続けて一生終えるんや。そんなんで、自分の人生手に入れられるわけないやんか。自分の人生手に入れとるやつらはな、全部自分で考えて計画立てて、その計画どおりになるように自分から世界に働きかけていくんや。」

全部自分で考えて、計画して、実行していく...っていうと、努力 って

言葉が浮かびますよね。

努力=苦しいもの、辛いもの、耐えるもの...BGMに昭和の演歌が流れそう

ですが...それって、本当?

本当に自分が望むことのためなら、楽しめるんじゃないの?

偉人と呼ばれる人たちは、苦しく辛い思いをし続けていたの?

ーーーそんな問いかけも あります。

 

でも、最後にはこんな言葉を残して消えていくんです。

「成功だけが人生やないし、理想の自分あきらめるのも人生やない。ぎょうさん笑うて、バカみたいに泣いて、死ぬほど幸福な日も、笑えるくらい不幸な日も、世界を閉じたくなるようなつらい日も、涙が出るような美しい景色も、全部全部、自分らが味わえるために、この世界創ったんやからな」

 

「世界を楽しんでや。心ゆくまで」

-----うん。そうだね。ありがとう。

私も、そんな風に答えながら読んでいました。

さんざん笑わせてくれた後に、改めて「生きていること、そのもの」について

考えさせてくれる1冊だったな。

私、やっぱり運がいいなぁ。

きちんと受け止められるタイミングで、必要な本に出会えてるもんね。

ということで。

未読の方は、気が向いたときに手に取ってみて下さい。

字ばっかりで、ちょっと厚め(笑)だけど、読みやすい本だと思います。

お題「読書感想文」