鎌倉暮らし

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牛乳じゃなくて、美味しいヤギ乳&羊乳が飲んでみたい!という希望とイロイロな疑問-4

続き物ですので、よろしければコチラもどうぞ↓  ...4本になるとは思わなかった)

牛乳じゃなくて、美味しいヤギ乳&羊乳が飲んでみたい!という希望とイロイロな疑問-1 - 鎌倉暮らし

牛乳じゃなくて、美味しいヤギ乳&羊乳が飲んでみたい!という希望とイロイロな疑問-2 - 鎌倉暮らし

kamakura-kurashi.hatenablog.com

 (前回からの続きです。)

ミルクアレルギーって?                        

日本では牛乳アレルギーと言われることが多いようですが、牛乳に限らず、
動物の乳に含まれる成分(主にタンパク質)に対するアレルギー反応です。
食物アレルギーの1種ですね。
乳に含まれるたんぱく質動物によって異なるので、Aの動物の乳はダメでも
Bの動物の乳は大丈夫、ということもあるようです。(牛乳NG→ヤギOK、とか)
幼児期に見られるアレルギーで、3歳頃になるとほとんどの場合は 自然に
消滅するらしいですね。

なぜ、日本では 乳製品=牛 なのか?                   

日本で牛乳や乳製品が普及し始めたのは、明治になってからのことです。
それまで、牛は 労働力として使役されていましたが、8代将軍吉宗が  
牛乳を馬の薬 にしようと、インドから3頭の白牛を輸入しました。
これをきっかけに、近代酪農としての 牛の飼育が始まったと言われています。
そのためか、明治以降も 牛(乳製品)を商売にしていたのは、元・武士 が中心
だったようですね。明治2年(1869年)に 横浜で「あいすくりん」(アイスクリーム)
を売り出して成功したのも 元・旗本でした。

一方のヤギですが、そもそも日本に野生のヤギは生息していなかったそうです。
遣唐使の派遣などで大陸との交易が盛んだった 西暦700~800年頃、家畜化された
ヤギが 採肉用として持ち込まれたと考えられています。
乳用ヤギは、幕末に黒船に乗って登場した ペリーが、自分が飲むために
持ち込んだのが始まりとされています。(しかも 小笠原島に放したとか 勝手過ぎ...)

それ以降、搾乳業者などが登場して輸入飼育を開始し、ほどなくヤギ乳の販売
が始まったそうで、明治末期には 民間にもヤギ飼育が広まり始めます。
大正~昭和初期には、政府によってヤギ乳利用が奨励されたこともあり、
ヨーロッパから多数の乳用ヤギが輸入されて品種改良も進められ、ヤギ飼育が
広がっていったようです。
さらに、第二次世界大戦中~戦後にかけての厳しい食糧事情の中で、ヤギ乳
及び 肉)が 農村部における貴重なタンパク源となったことから、ヤギ飼育は
全国に広まっていきます。

日本におけるヤギ飼育数のピークは 1955年(昭和32年)、沖縄を除く全国で
約67万頭が飼育されていたそうです。(この時点では、沖縄は日本復帰前ですね...)

民間(家庭)で ヤギ飼育が広がったのは、

  ●粗末なエサで飼育できる(粗食で丈夫)
  ●小柄でおとなしく、老人・女性・子供でも 扱いやすい

という理由が大きかったようです。

戦後では、学校給食が始まるきっかけになった ララ物資1946年~1952年)にも
ヤギがいたのをご存知ですか?

その数なんと、

     乳牛45頭 に対して ヤギ 2,036頭 (!)

このヤギは、戦前に茨城県水戸市に住んでいた宣教師ハーバート・ニコルソン(1892~1983) の 懸命な働きかけが大きかったそうです。
食糧難の日本で、子供たちに栄養価の高いヤギ乳を飲ませよう!と、ではなく
ヤギ を選ぶあたり、日本の事情に詳しかった、ということでしょうか。

当時、35名の戦災孤児の面倒を見ていた佐賀県のあるお寺には、住職のこんな
記録が残っているそうです。

『横浜までヤギが来ているので受け取りに来い』
という電話が来たので、複数名が上京して、数日がかりで
貨車で数頭のヤギを運んできた...     (すごい話ですね)

一方で、GHQの指導により、ヤギ乳に代わって牛乳の利用が
推し進められたことで、ヤギ乳は次第に日陰に追いやられていきます。
1948年には 援助物資による ミルク(牛乳)給食も開始されましたしね。
うーん...14年ぶりに復活したXファイルのごとく『アメリカ政府の陰謀説』を
訴えるつもりはありませんが(それを始めたら絶対に終わらない。笑)...なにやら、
勘繰りたくなるのは事実ですね。

少なくとも、この時点で、アメリカにおいては

牛(乳)が 巨大な利益を生むビジネスになっていた。
      安く作って高く売る、新しい市場を開拓する...どちらもビジネスでは重要ですね。

ヤギの飼養頭数は徐々に減少していき、平成12年に約2万1千頭(沖縄を含む)、
平成22年には 約1万4千頭(沖縄を含む)となっています。
近年、食の多様化、中山間地の有効利用などでヤギが見直されているとはいえ、
首位奪還...は無理そうですね。

で、結局なにがイイの?                        

...なんて、わかりません。というか、そこは そもそも考えてない。
何がイイか、ではなくて、単純に牛乳以外の選択肢が欲しい、どうせなら、
美味しくてフレッシュなヤギ乳&羊乳がいい!という欲望 希望が始まりですから。
同時に湧いてきたいろんな疑問を、自分なりに調べていたら予想外に長くなって
しまいました...
残念ながら、現在の日本で フレッシュなヤギ乳&羊乳を飲むことは、なかなか
ハードルが高そうです。でも、あきらめませんけど。
いざとなったら我が家でヤギを飼ったってイイ!...と思ったけど、その場合
庭の芝生は全滅でしょうね...う~ん、それは イヤかも。
富山で就農した友人夫妻をそそのかしてみようかな?とか、イタリアのどこかに
アグリツーリズモに行くのもアリ?とか、色々考えるのも楽しいのですが。
とりあえずは、先日紹介したお店で購入可能な物から試してみようと思います。

あと、関東なら茨城県水戸市に こんな場所もありましたよ(↓)

www.chevre-kan.com

美味しいモノとの出会いを期待しつつ、楽しみながらイロイロ試して
いこうと思います。
最後まで長くなりました。読んでいただき、ありがとうございます。