鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

非常識なスローエイジング法

今さらですが、この本を読み返してみました。

医者に頼らない! 糖尿病の新常識

糖質ゼロの食事術  かまいけ式でスローエイジング!

釜池豊秋 著 2007年12月発行)

1年以上前、糖質制限を始めるにあたって、色々な資料を読みまくって
いた時に読んではいたのですが...その時に受け取ったメッセージは、

 ■糖質は限りなくゼロがいい
 ■とは言っても、葉野菜・ハーブ・スパイス・一部調味料などは
  摂ってもいい(要は程度の問題)
 ■この食事スタイルは「非常識」
 ■誰かに相談しても無駄なので、自分でやると決めたなら
  さっさと始めよう

これだけ。
イヤ、これだけなんですが、その時の私にとって重要なメッセージ
きちんと受け取りました。

話はちょっと横道にそれますが、本を読む時は、著者が言わんとする
ことを、一つも漏らさず受け取らなきゃいけない、と考えている方も
いらっしゃるようですが。
それって、小学校の国語の授業ですよね。

 「この段落で、著者が伝えたいメッセージはなんでしょう?」
 「××っていうことです」
 「ハイ。正解です。正しく読めていますね。」

っていうやりとり。
小説を読むのに 正しいも正しくないもあるもんか、余計なお世話だと
子供心に アホらしさを感じたものです...
自分に必要なことは、放っておいても記憶に残るし、逆に記憶に
残りもしないことは その時点では不要なこと、ではありませんか?
著者が何を言いたいか、ではなく、私が何を受け取るか、が大切だと
思います。

閑話休題
2014年の9月から江部医師のスーパー糖質制限スタイルでスタートした
我が家ですが、内容は様々に変化しつつ...現在のPFCバランスは、
かなり糖質ゼロに近くなっています。
 ...ところで、PFCバランス、って誰が言い出したんでしょう?
 こういうのって、重要な順に並んいると思いたくなるんですが、これだと
 P(タンパク質)>F(脂質)>C(炭水化物)ですよね。
 ...日本発だったら、CPFっていう並びになってたのかな?(笑)
 あ。脱線しちゃった。

ということで、糖質ゼロ実践後(継続中)の今回、改めて読み直して
受け取ったことをまとめてみます。

タイトルにあるように、入り口は糖尿病対策としての食事法ですが、
最終的にはスローエイジング様々な病気(肥満・糖尿病・高脂血症
アルツハイマー歯槽膿漏など)にも有効であるとされています。
もちろん、この時点までの釜池氏の治療実績なども記載されていますが、
それよりも この食事法を考えるに至った経緯や、某学会への反論などが
面白かったです。

そもそも釜池氏が「朝昼抜き・夜の1食」+「糖質ゼロ食」を唱える
ようになった 理由や根拠が 色々書かれています。
私の中に残ったのは、こんな部分です。

 ●人間はヒトという動物である
 ●ヒトはかつては野生動物であった
 ●野生動物に肥満はない
  (食料は有限であるという自然環境 及び 肥満は活動に不利である
   という本能によって、肥満が規制される)
 ●現代のヒトは、環境や本能によって肥満が規制されない
  (食料はいくらでもあり、捕食行動に(それ以外にも)体力を使わない)
 ●初期人類の主食は骨髄(後に+肉)である
 ●野生動物では、空腹→捕食活動→摂食→休憩 が自然の摂理
 ●現代生活で食後に休めるのは夜だけ
 ●必須糖質はない
 ●血糖値が少しでも上がれば、インスリンは迅速にかつ大量に放出される
 ●インスリンが働けば老化が促進する
 ●ヒトの主要エネルギー源は脂質(中性脂肪・脂肪酸・ケトン体)である
 ●糖質は非常時のエネルギー源である   ...

ちなみに、糖質ゼロ=数学的な意味でのゼロ、ではありません。
糖質は限りなくゼロ、としつつ 葉物野菜や調味料は(少量なら)OK。
また、インスリン分泌能などには個人差がある(当然)とされていて、
糖質の上限値などは示されていません。(理想の上限値=ゼロです)
ただ、この本(2007年)以降のどこかの時点では、1食5g以下という
数値を示されたこともあるようですね。

絶対に1日1食とか、人工甘味料の許容とか、食物繊維の必要性
(大量摂取は否定されています)とか...私の考えとは異なる部分も
当然ありましたが、概ね納得しながら読めました。
よくある「結論ありき」の押し付けではなくて、何故そのように考えるに
至ったか、という理由がきちんと書かれているので、わかりやすかった
(抵抗を感じなかった)のだと思います。

糖質ゼロ食を始める前と始めた後では、理解度や受け取れる内容が随分
変わったな、と感じました。
でも、一番重要なメッセージは、やっぱりこれだと思います。

医者も含めて周りの誰かに「かまいけ式糖質ゼロ食」について
意見を求めるのは止めましょう。
誰かに相談しても的確に回答できる人は皆無でしょう。
なぜなら、かまいけ式は「非常識」です。
常識は、ほとんどすべての人が正しいと信じているからこそ
常識なのです。
あなたに相談を持ちかけられた人が常識人でない確率は万に一つも
ありません。
「かまいけ式糖質ゼロ食」を始めるかどうかは、この本を読んで
納得できたあなた自身が決めるしかありません。
...(中略)...
ここは、清水の舞台から飛び降りるつもりで、迷いを捨て
「取りあえず」始めてみることです。
問題が起こったときに、その都度適切に処理すればよいのです。...


これ、食事法に限りませんね。
納得してやってみようと思ったのなら、とりあえず自分だけで始めてみる。
「自分から始める」というのは、アドラー心理学にも通じるのかな?
そうそう。こんな言葉もありましたよ。

「食」は他人に委ねない

速さ、便利さ、快適さを求める現代生活の中では、意外と難しいことかも
しれません。
やってみるとわかりますが、糖質ゼロ食って、本当に手間がかかりません。
しかも豪華に見えて(なにしろ、肉・魚・卵・チーズばっかりなので)
満足感があります。時間もかからないしね。