鎌倉暮らし

日々、思うこと。絵封筒や読書の記録。ときどき、鎌倉のおすすめ情報など。

【影響】は「与えるもの」か?「受けるもの」か?

f:id:coco_k:20151125163320j:plain

数年前、某IT系企業の新人研修をしていたときのこと。
休憩時間の雑談の中で、ある新人君が言いました。

「将来は、影響を与える側の人間になりたい」

「例えば、意見が食い違ったりした時でも、相手の間違いを正確に指摘

して、何が本当に正しいのか、正しい選択をすればどんなメリットが

あるのかを理解させてあげれば、最後には相手も納得して正しい選択

できますよね。最終的に、僕の意見を採用するなら、それはつまり、

僕が影響を与えたことになりますよね。」

「相手が理解できないなら、理解できるまでいろんな方法で説得します

その方が、相手のためですから。」

これらの発言、どう思われますか?


それは、むしろ 強制 とか 力ずく って言うんじゃないの?と、私は思いました。

北風と太陽の童話で言うなら、北風スタイル

彼は、将来有望な新人さんだと聞いていました。

言動も礼儀正しくて、真面目で、一生懸命。

でも、この発言から感じたのは、自分を認めさせたいという欲だけ。

いわゆる承認欲求ですね。

 

誰だって、自分が正しいと思ってる。

そして、他の人にもそれを認めて欲しいと思ってる。

認められたら、自分の立場が高くなったように感じる。

ただ、それは 他の人も同じ、とは思っていないんですよね。

 

この時の彼の姿がとても印象に残っているので、折につけ、思い出します。

そして...何かに似ていると思いませんか?


 糖質制限派 vs. アンチ糖質制限派

 肉食主義 vs. 菜食主義

 

ときどき見かける食にまつわる議論に似ているな、と思うのです。

どちらも、

●自分が正しいと思っている

●ほとんどの場合、「相手に正しいことを教えてあげよう」という善意の行動

(※意図的にウソ情報を流す悪意の第三者は除く)

 

ただ、あくまでも 正しいのは自分であって、間違っているのは相手

だから、相手が自分の話を理解しないと、すごく腹が立つ

ときには、「バカな奴め」と捨て台詞を吐いてしまう。

まさに 北風スタイル。失敗が約束されている感じですよね。

 

影響は与えるものではなく、受けるもの だと思います。

何か(誰か)のことを、「いいな」と思う。

理由は良くわからないけど、なんだか良さそうだぞ、と興味を持つ。

すると、もっと知りたくなる。そして、真似てみたくなる。

「××してみたい。」

「△△さんみたいになりたい。」

ただし、あくまでも、自発的に。

北風と太陽で言うならば、太陽スタイル

 

それが、影響を受ける、ということだと思います。

ただ、「いいな」の対象が必ずしも 社会的(道徳的・倫理的・科学的...)に

正しいことであるとは限らないのですが。

 

正論で勝つ、力ずくでねじ伏せる、議論でボコボコにする...私も好きでした。

って言うか、それが正しいやり方だと思ってた。

そんな行動が必要になることもあります(...あるのかな?)が、少なくとも

プライベートで その方法を選ぶ必要はないだろう、と思う程度には大人になった

...かも(笑)

大切なのは、太陽スタイル!

 

相手が自発的に興味を持てるように仕向けたら(←ここが違う?)いいんですよね。

私の場合、家族には糖質制限を勧めてない と書きましたが、家族以外にも、

勧めることは一切していません。

ただ、雑談のように話すことは 良くあります。

「期待してなかったけど、お腹のお肉がちょっと減ったんだよね」

「最近、アレルギー症状が全く出ないのでラク~」

「食事回数が減ったから、時間が増えた感じ」

「食後の眠気がなくなった」

「なんとなく体調が悪い、気分が悪い、ってことがなくなったかも」

「体が軽くなって、フットワークが良くなったよ!」  ...などなど

                 (いいことばっかり。でも、本当のことだから。笑)
で。

「ああ、そういえば食事内容を変えてからかもね。

            まぁ、偶然かも知れないけど。(にっこり)」

 

そして、相手が興味を示したら、訊かれたことにだけ答えていく。

実際、私たちの体型変化や体調の改善ぶりを目にしてる友人たちは、すごく興味を

持ちます。

相手が否定的なことを言ったり、心配ゆえのアドバイスをくれるときには、

今の私には 合ってるみたい」

「せっかく始めた人体実験だから、もうちょっと続けてみようと思って」

「こういうのは、徹底的にやらないと差がわからないじゃない?」

「我慢というより、楽しんでるよ」

 「悪い変化があったら 見直すつもりだから」

 

で。

 

「心配してくれて、ありがとう。(にっこり)」

 

どれも、私にとってはウソじゃないから、言葉にするのも苦しくない。

糖質制限、と一言で言っても、やり方は人それぞれ。

今はいいな、と信じる食事法が、一生変わらないとは言い切れない。

そして、この食事スタイルが 世界一、究極の食事法と断言できるわけでもない。

 

こんなやり方で、上手く伝えていきたいな~、と思っています。

とはいうものの、なかなか難しいですね。